ピアレビュー(査読)モデルについてのご紹介

2023/11/29|ブログ

今回は、ピアレビュー(査読)モデルについて、開発元であるAries Systems社のブログ記事で紹介されておりましたので弊社訳にてお届けいたします。
元記事はこちらをご覧ください。(英語)

はじめに

公平な査読は学術研究の完全性と品質を保つために不可欠なものです。
もともとは、17世紀のヨーロッパで始まり、20世紀半ばに「peer review(査読)」という用語が生まれてから一般的になりました。査読の方法は出版社や学術コミュニティのニーズにより異なります。Aries Systems社では、2022年のオンラインユーザ会(EMUG 2022)にて査読のモデルを以下のように定義しました。
(オンラインユーザ会(EMUG 2022)でのピアレビュー(査読)モデルのディスカッション動画はこちらから視聴可能です。(英語))

ピアレビュー(査読)モデルについて

SINGLE ANONYMIZED (BLIND) PEER REVIEW(シングルブラインド査読)

査読者が投稿者に対して匿名のピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

DOUBLE ANONYMIZED (BLIND) PEER REVIEW(ダブルブラインド査読)

査読者、投稿者が相互に匿名のピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

TRIPLE ANONYMIZED (BLIND) PEER REVIEW(トリプルブラインド査読)

査読者、投稿者、担当編集委員がお互いに全て匿名のピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

OPEN PEER REVIEW(オープン査読)

メリット

デメリット

TRANSPARENT PEER REVIEW(トランスペアレント査読)

査読内容が公開されるピアレビュー(査読)モデル
(査読者の匿名性は査読者自身が選択可能)

メリット

デメリット

COLLABORATIVE PEER REVIEW: FLAVOR 1(共同査読1)

査読者はペアや、研究室単位など複数人で査読する新しいピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

COLLABORATIVE PEER REVIEW: FLAVOR 2(共同査読2)

査読者は、著者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら査読する新しいピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

CROWD PEER REVIEW(多数査読)

大勢の査読者からの意見を仰ぎ多様性を活用した新しいピアレビュー(査読)モデル

メリット

デメリット

おまけ

ピアレビュー(査読)モデルについて、こんなにも運用の種類があるのだと驚きました。
ちなみに日本学術会議が行ったアンケートでは、日本の学会では実際にシングルブラインド(査読者が投稿者に対して匿名)の査読モデルが一番多い回答結果になったようです。
一方で、望ましい査読様式については、ダブルブラインド(査読者、投稿者が相互に匿名)の回答が一番多い結果となっています。
(参考元:https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-k353.pdf


おわりに

ピアレビュー(査読)モデルについていかがでしたか?
私自身も初めて聞いたものもありました。
日本でも実際の運用が増えていくのでしょうか。これからも興味深くウォッチしていきたいと思います。

Editorial Manager上のフローやブラインド設定について、ご不明な点などございましたらいつでもご相談ください。
ジャーナルのポリシーや目的などを今一度確認いただき、最適なフローで運用していただければ幸いです。

今後も便利な機能や有益な情報を紹介していきます。
次回のブログもお楽しみに!!