【新機能】Find Reviewers using Scopusのご紹介
こんにちは、好きなポップコーンの味はシカゴミックス、EMクライアントサポートの瀬谷です。
さて、今回は投稿審査プロセスの中でも特に課題が多いとされる「査読者選定」について、ソリューション機能である「Find Reviewers using Scopus(以下、Find Reviewers)」が新たにリリースされましたのでご紹介いたします。
Editorial Manager®との連携機能 – Find Reviewersとは
Find Reviewersは、Editorial Manager®(以下、EM)とScopusのデータが連携した新しい査読者検索機能です。約1,960万以上の世界中の研究者データから、分野やキーワードなどをもとに候補者を探せるため、多様な研究者に査読を依頼しやすくなります。EMからScopusのデータ上で査読候補者を検索し、そのままシームレスに査読依頼が可能です。また、学術業界にとっては馴染みのある「Scopus」との連携ということで、データの信頼性やデータ量にも自信を持てる機能となっています。
操作画面のご紹介
それでは、実際の画面を見ていきましょう。(サンプル画面のため実際の表示とは多少異なる場合があります)
Find Reviewersが有効になると、EMの査読打診画面に「Find reviewers using Scopus」のタブが追加されます。
このタブをクリックすると、Scopusのデータを基に査読候補者を検索できる画面が表示されます。この検索機能は、様々な条件で情報の絞り込みやソートが可能で、査読候補者の選択肢を広げます。
機能のポイント
ポイント① キーワード検索
著者が投稿した論文の分野やキーワードが自動で検索条件の候補に含まれます。候補にないキーワードは、手動で追加することも可能です。入力されたキーワードにマッチする査読候補者をシステムが自動的に一覧化してくれます。
ポイント② h-indexの表示とソート
h-indexは、発表した論文のうちの被引用数を数値化した研究者の影響力を示す指標の一つで、このh-indexも検索結果に表示されます。また、h-indexの最小値と最大値の範囲を指定し、該当する研究者だけを結果に表示することも可能です。
ポイント③ 国別ソート
査読候補者を国別にソートできます。例えば「Japan」に絞り込んで検索することで、研究者データのロケーションが日本で登録されている方のみ、抽出することが可能です。日本にいる研究者に絞ることで、英文誌だけではなく和文誌でもFind Reviewersをご活用いただけるのではないでしょうか。
ポイント④ 利益相反の可能性の表示
著者や共著者である可能性がある場合、システムが自動で査読候補者から排除します。手動で査読候補者に追加することも可能ですが、アラートが表示される仕組みです。著者の可能性がある方に誤って査読依頼をしてしまうことを防ぐ便利な機能です。
ポイント⑤ 詳細な研究者データ
ポイント①~④の通り、様々な条件で表示した候補者ごとに、Scopusに登録されている詳細な研究者データが表示されます。システムが自動的に表示した候補者の公開済み論文の実績、被引用数、著者履歴などの情報を確認し、最適な候補者を選定するための参考にできます。
その他詳細の画面については、開発元によるウェビナーでのデモンストレーションをご覧いただけます。(英語)https://vimeo.com/857199636
実際のご利用者の声
実際にFind Reviewersを導入していただいた編集委員の皆様からのお声を一部ご紹介します。
「検索時間の短縮とともに、キーワードと最近の論文公開実績に基づく査読候補者がリスト化され、大幅に査読候補者探しの手間が改善されました。」
「選択した査読候補者による査読引き受け率はh-indexが10-20の間の若手から中堅の候補者で関連する論文を出している中から選ぶことで、査読に同意してもらえる確率も上がりました。」
「多様な分野の論文が投稿されてく本誌で、査読者を探す編集者の手間暇が大幅に改善されました。また、選定したあとにEMへの新規登録作業も自動で行ってくれることは大変助かります。」
さらに、利用いただいている8割以上の方がFind Reviewersの導入にあたって操作に問題がなかったと回答しています。シームレスで直観的に操作ができるのも重要なポイントですね。
査読者選定の課題
先日、弊社ではEMをご利用の皆さま向けにアンケートを実施させていただきました。その中でも査読者選定における課題の中で大きかったお声を3つご紹介いたします。
「査読者選定における課題感やご状況を教えてください」という問いに対する約100名の回答のうち、「特定の人に負担が偏ってしまう」という課題が一番多く、6割以上の票が集まっています。次に多かったのが、「査読依頼を断られてしまうことが多く、審査に時間がかかる, 特定の人に負担が偏ってしまう」で半数以上、続いて僅差で「論文の内容に適した専門性を持つ人を見つけることが難しい」が約半数という結果でした。
(こちらの結果はアンケートの中間報告です。最終結果については別の記事でご紹介いたしますので、ぜひご期待ください♪)
おわりに
査読者選定は、多くのジャーナルが抱える課題の一つです。Find Reviewersは上記でご紹介した声の大きい課題にもアプローチすることができる機能です。皆様のご負担や課題に対して、Find Reviewersがその一助となることを願っています。
ご契約は年間契約の他に、お試しの短期契約も可能です。
詳細や導入費用については、クライアントサポート担当まで是非お気軽にお問い合わせください。
それでは、次の記事でお会いしましょう♪